2007年08月09日

「拷問室の妖精」第3章・その2

 私がデザートを受け取ると、男は窓際に立って下をながめた。
「寝ておりますな。さすがに」
 女のことを言っているようだ。
「あの責めでも口を割らぬとは」
 男は小さな声でつぶやいた。
「恐ろしい女だ」
 私はその意味を問うことができなかった。男の声があまりに深く沈んだ声だったからだ。
 少し間をおいて私は言った。
「名前は?」
「は?ああ、女の名ですな、あれは相川遥といいます」
「はるか……」
「年は25になります。お客様はもっと若い方がよろしいのでは?」
「いや」
「それは結構なことで。25歳のよい体をしております。少しやつれましたが」
 私はデザートを食べ終えた。いちごを食べるのがこんなにもどかしいと思ったことはなかった。
「さあ、連れて行ってくれ」
 私たちは部屋を出た。
posted by AWAWA at 08:50| Comment(3) | TrackBack(0) | 拷問室の妖精
この記事へのコメント
あら、楽しみなのに未完で終わるって、後どれぐらいで終わるのでしょうか?
Posted by at 2007年08月11日 19:55
あと8話くらいです。お楽しみください。

Posted by AWAWA at 2007年08月12日 13:01
はぁい、楽しませていただきます。
Posted by at 2007年08月13日 05:33
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