2007年08月07日

「拷問室の妖精」第3章・その1

 デザートに続いて、札束も運ばれてきた。
「おめでとうございます。賭けの勝ち金でございます」
「ああ」
「先ほどの田中礼子の鞭打ちへの支払い代金300万円はあらかじめ引かせていただきました。しめて1700万、お確かめください」
 私は机の上に詰まれた札束を見ても、何の興奮も感じなかった。
 窓の外を見ると、女は床におろされ転がっていた。すでに鉄板の台もない。
 マスクの男が女の髪をつかんで、何か言っているようだ。
 私は女に会いたくなった。
「あの女には会えないのか?」
 田中礼子も訪ねてきた。あの女も来てくれないのだろうか。
「まずはデザートをお食べください」
「質問にこたえてくれ」
「お客様、少し興奮されておりますようで。ショウを見たあとは、どなたもそうなります。どうやら人間の心の奥底に眠るものを呼び覚ますのでございましょう。デザートを食べて体と心をおひやしください。そのあとで下に参りましょう」
 私は男の長口上をやめさせようとして、その最後の言葉を耳に止めた。
「下に?下にいけるのか」
「お客様は賭けの勝者でございます。その権利があります。ですが、まずはデザートを」
 いちごを盛り付けた銀の器が差し出された。
「わかった」
 私はスプーンを手にした。
posted by AWAWA at 07:13| Comment(3) | TrackBack(0) | 拷問室の妖精
この記事へのコメント
すごくのってきましたね!
すばらしい作品になりそうですね。
Posted by god at 2007年08月08日 01:15
ハラハラの展開ですな。
Posted by まさ at 2007年08月08日 21:39
でも未完で終わってしまうのです。申し訳ない。
Posted by AWAWA at 2007年08月09日 08:50
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