2007年06月24日

「拷問室の妖精」第1章・その9

 部屋は、私と最初に金を渡した男の2人だけに戻った。
「ひょっとして、酷い目にあうのか」
 女が繰り返し抱いて欲しいと言っていたのを思い出して、私はたずねた。
「どうでしょう。私は知りませんが。しかし」
 男は続けた。
「お客様は残酷なことをされますな」
「ん?」
「あの女は来週もまた拷問を受けます。そのときも、またお客様が助けてくれることを期待するかもしれません」
「ああ」
 考えてもいないことだった。
「そして助けてもらえなかった時に、女は何をおもうのでございましょうね」
「うむ」
「お客様、ここでは仏心は無用です。それが出来ないのなら、ここにはいらっしゃらないことです」
「そうかもな」
 次の舞台が始まった。やはり裸の女が引きずられるようにやって来た。大柄で色の白い女だった。女は顔を上に向けて首を回した。そこに助けてくれる何かを探すように。私は窓際でその目を見た。
 それが私と遥との出会いだった。
posted by AWAWA at 13:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 拷問室の妖精
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