2006年02月12日

(05話)第1章・その5

「ひいいっ」
 女の悲鳴が聞こえて、視野から女の顔が消えた。私は双眼鏡を外した。また鞭が打たれたようだ。
「若いな」
「19歳です。父親は九州で服飾関係の会社をやっておりまして、本人は女優になるつもりで上京したそうです」
 女の悲鳴がした。私は舞台に目を向けた。女がくるりと回転していた。鞭が巻きついている。
「しかし父親の会社が傾きまして多額の負債をかかえることになりましたので、ああしておるのです」
「鞭で打たれると金になるのかい?」
「左様で。今夜100回の鞭打ちで500万円があの女のものとなります」
「100回……」
 私は舞台の上の女を見た。両手を吊り上げれているから立っているようなもので、立っているのもやっとだろう。
「あと何回くらいだ?」
「始まって半時間ほどですから、まだ半分も」
「そりゃ耐えられないぞ、あれでは」
「その時は仕方がございません」
 私は「耐えられなかったときは逆に借金が増える」という話を思い出した。
posted by AWAWA at 19:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 拷問室の妖精
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