2001年02月04日

変態合宿(05話)下書・気集療法



翌朝、八重子たちは4時に起こされた。

白衣の男2人に連れられて建物の外に出た。
「え、裸のまま歩くの」
女性達がざわついた。まだ日は昇っていないが外は薄ら明るい。
「ほほほ、私達のほかには誰もおりませんよ、ご安心ください」
院長が言った。確かに人目を気にする心配はないだろう。しかし、全裸で戸外を歩くのはためらわれた。

八重子たちは靴だけを履いて、建物の外に並んでいた。白衣の男が2人歩き始めたが、さすがに誰も付いていかない。

これから更に山を登って、山の頂近くにある廃寺へ行くのだという。昼間の合宿はその廃寺で行い、暗くなると今いる建物に戻るのだ。

八重子は目の前の山を見上げた。距離は200メートルくらいだろうか、木々の間に建物が見えた。あれが廃寺だろう。
「さあ、行きますぞ」
院長が声をかけると、女性達が歩き始めた。白衣の男2人を先頭に裸の女性達は続いていく。不思議な光景に違いなかった。

八重子はまわりを見回した。やはり人の目が気になる。どこかに人が隠れて覗いていることも無いようだ。それにここは私有地らしい、簡単に人が入ってくるとも思えなかった。

*

石段は少なくとも百段以上はあった。数えてはいないが、2百段を超えているかもしれない。

八重子は体を鍛えているおかげで、それほど苦しいとは思わなかった。スポーツインストラクターの「藍」の女性も平気な様子だった。小柄な身体全身を使って登っていく。後ろから見ていると筋肉の躍動が気持ちよかった。

他の女性達は苦しげだった。「橙」の佐賀沙織は列の先頭をあぶなげに登っていた。鍛えているようには見えないから、気持ちだけで足を出しているのだろう。後姿がやる気に満ちているように見えた。
(昨夜はあんなにひどい目にあったのに)
八重子は不思議だった。乳房や性器をいじられても一晩寝てしまえばころっと忘れてしまえるのだろうか。だとしたら私とは別の人種だと、八重子は考えた。

女子大生の2人はずるずると遅れて、ついに列の最後尾になった。八重子の後ろだ。2人の後ろには院長が続いている。
「ああ、疲れる」
「待ってよ」
「まだ着かないの」
口だけは止まらない。
「矢野さん、なにかスポーツされているんですか」
「え」
赤の香織に問われて、八重子は振り返った。
「矢野さん、足の筋肉がすごい」
「そんな」
八重子は護身術のために各種格闘技を習っていた。有段者の腕前だ。
「肉がついているだけよ。何かしないといけないと思ってるんだけど、時間が無くて。あんまり見ないで」
八重子はごまかした。裸では隠すことが難しい。何もかもさらけ出した状態だ。

石段を登りきると広場になっていた。古い建物がある。廃寺だ。誰も住まなくなって何十年もたっているようだ。

山の空気がおいしい。八重子は思いきり息を吸った。肺の中に冷たい空気が入ってくるのを感じる。良い気持ちだった。女性たちもおのおの深呼吸をしている。

寺の境内だった広場に地面から棒が数本、等間隔に並んで立っていた。八重子の腰の高さくらいある。近づいてみると、水道管のような中空の管だった。
(なんだろう)
合宿の中で使うものなのかもしれない。

「緑」の女性がいるのに気づいて、八重子は近寄った。
「おはようございます」
「おはようございます」
「眠れました?」
「ええ」
「緑」の女性は微笑んだ。昨夜のパニックの影響は残っていないようだった。八重子は少し安心した。

やがて、集合がかけられ女性達は院長の前に集まった。これから「気集療法」を行なうと院長が告げた。大地の気を身体に流し込むのだという。

院長の説明を聞いているうちに、八重子はとんでもないことになったと青ざめた。
「では赤の方から始めましょう」
「は、はい」
最初に指名されて、赤の香織が上ずった声を出した。香織は白衣の男達がいる場所へ近づいた。その側には中空の鉄管が地面に刺さっている。
「では、気集の姿勢をとってください」
「はい」
香織は足を肩幅より少し広げると両腕を上げた。頭の上で両手をあわせ、指を組み合わせた。きれいな三角形ができた。
「よろしいですな。もうしこし胸を張って」
香織は言われる通りにした。
「では、台の上にのってください」
地面に刺さった鉄管の左右に、それぞれレンガが4個重ねて置いてあった。香織はこわごわとレンガの上に足を載せた。両手は頭の上で組んだままだ。バランスが悪い。倒れるのではないかと八重子が心配すると、白衣の男が香織のわき腹を掴んで支えた。
「すみません」
香織はよろよろとレンガの上に立った。爪先立ちしている。そうしないと、鉄管が股間にあたってしまいそうだからだ。
「まだレンガが多すぎますな」
院長は香織の足と長さと鉄管のながさを比べてから言った。
「赤さん、右足を上げて」
香織がふらつきながら右足を上げると、院長はレンガを1つ取った。
「次は左足も」
同じように左側のレンガも取る。香織はせいいっぱい爪先を伸ばして立っている様子だった。
「あ、あ」
今にも倒れそうだった。
「赤さん、気集管を挿入してください。気を身体に吸い込むのです」
香織は首を小刻みに振った。出来ないという意思表示だろう。
「初めてでは難しいですかな、最初の日ですから、特別にお手伝いさせていただきましょう。よろしいですかな」
香織は不安げにうなずいた。何をされるのかわかっていないはずだ。八重子は心の中で「馬鹿」と言った。

白衣の男が左右から香織を持ち上げた。各々が香織の足を持っている。香織は両手を頭の上で組んだ姿勢を崩さない。今は姿勢を崩さないことだけに集中しているのかもしれない。院長が香織の股間に手を伸ばした。
「初めは痛いかもしれませんが、少々、我慢してください」
香織が悲鳴を上げた。院長が無理やりこじ開けたようだった。女性達が緊張した。

白衣の男達が香織をゆっくりと下ろしていく。すでに鉄管の先端は挿入されているようだ。鉄管が突き刺さった股が痛々しかった。レンガの上に香織の爪先が付いた。

白衣の男達が手を離す。香織は少しふらついたが、両腕を上げた姿勢を保った。胸をやや突き出している。美しい三角形だった。股間の鉄管を除けば。
「どうですか、とても気持ちが良いでしょう。気が身体の中に入っていくのが感じられますか」
「はい」
「ほほほ、今は辛いかもしれませんが、これに耐えればそれなりのものを得ることができますぞ」
「は、はい」
院長は香織の足元を見た。レンガは3個重なっている。
「明後日にはレンガを2つにしましょう、その2日後には1個にしましょう」
香織は顔が赤くなり始めていた。院長は「気が満ちてきましたな」と嬉しそうに言った。

*

八重子は人事ではなかった。やがて自分も、香織と同じ目にあうのだ。まさか、自分だけ免除してもらうわけにもいかない。そんなことをすれば、あやしまれてしまう。

女性達は「橙」、「黄」、「緑」の順に呼ばれた。橙の佐賀沙織は院長が何度も試みたが鉄管を挿入することができなかった。沙織は身体を震わせて泣いた。女性達からは「頑張って」と声援が飛んだ。

院長があきらめたように沙織から離れた。沙織の腿に血の筋が見えた。
「仕方ないですな、橙さんはしばらくお休みください。あとでもう一度やってみましょう」
沙織は泣きながら列から離れた。古い建物の柱の近くにしゃがみこんだまま、顔をおおっていた。

黄の女性と緑の女性は、院長が手助けすることで鉄管を挿入できた。香織と同じように両腕を伸ばし頭の上で手を組んだ姿勢のまま静止した。

緑の女性は足が長いのでレンガを2つ取られた。

八重子は緑の女性の後姿を見ながら、自分の鉄管の側に近づいた。改めてみると鉄管は太い。入らない大きさではないと思うが、かなり痛いだろう。
「ううう」
緑の女性が低くうめいている。両足が震えている。爪先立ちしているので、つらいはずだ。
「では姿勢をとってください」
院長が他の参加者と変わらない口調で言う。八重子も素直にしたがった。両腕を上げる。少し胸をそらせる姿勢をとってレンガの上に乗った。バランスを崩すことはなかったが、わざとふらついた。
「では、お手伝いしますぞ」
院長が手を近づけた。
「あの、自分でしますから」
「ん?」
八重子は組んでいた手をほどいた。
「いけません。気集療法では、姿勢を崩してはいけませんぞ。手は上げたままです」
「でも」
「矢野さん、あまり変わったことは」
院長が小声で困ったようにささやいた。
「わかりました、すみません」
八重子はあきらめた。他の参加者と違う振る舞いをするのは避けたほうが良い。

八重子は院長の手が肉を押し広げるのを感じて鳥肌がたった。思わず足蹴りしてしまいそうなのを耐えた。何かが入ってきた。ざらついた表面がこすれて痛い。
(まだ入れるの、まだ)
ぐいぐいと押し広げられていく。八重子は叫びだしそうになった。

八重子の足が長いので、緑の女性と同じくレンガは2つ減らされた。2日ごとに1個ずつ減らしていくのだという。

参加したのは間違いだった。八重子は股間の痛みに耐えながら後悔した。だが今から逃げるわけにもいかなかった。

やがて日が昇ってきた。

八重子の前には3人の女性が手を頭の上で組んで並んでいる。女性達の背中や腰のあたりがきらきらと光った。汗が流れているようだ。

目の前の「緑」の女性がまた低くうめいた。爪先立ちを続けたままなので、両足はずっと震えている。爪先立ちをやめることはできない。もしやめると、鉄管をさらに挿入することになるからだ。

八重子の後ろからも声が聞こえてきた。
「あうう」
うめき声なのだろうが大きな声だ。

古い建物の側には、佐賀沙織と紫の女子大生が2人立っていた。紫の女子大生も挿入できなかったのだ。この2人は、あとで別の療法を受けることになるようだ。

八重子は汗が額を伝っていくのを感じた。ぬぐいたくても手をつかえない。姿勢を崩していけないのだ。
「くそっ」
一体いつまで続けるつもりなのだろう。もしこのままバランスを崩して倒れたらひどいことになるのではないだろうか。鉄管が膣に刺さったままなのだ。八重子はわき腹を汗が流れ落ちるのを感じた。

*

香織がまず白衣の男達に支えあげられて、レンガの上から降りた。それから順に女性達は助けおろされた。

八重子は地面に座り込んだ。
(こんなことが許されて良いの)
股間がひりひりと痛んだ。
「大丈夫ですか」
緑の女性、千葉知枝だった。
「だめ。あなたは大丈夫」
「私も。足がぶるぶる」
「いっしょだわ」
さすがに股間がひりひりすることは言いにくかった。

水の入ったバケツが置かれた。女性達が股間を洗い始めた。山の上までは水がきていない筈だ。下の建物から運んできたのだろうか。

八重子も手で水をすくい股間をぬらした。恥ずかしかったが、あまりにひりひりするので指先で中も水で塗らした。水がひんやりとして気持ちよかった。

*
posted by AWAWA at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 変態治療院
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/4215674

この記事へのトラックバック