1999年11月17日

(05話)下書・芋

ゆかり達はいつもとは違う部屋に案内された。部屋には白装束の女が2人いた。1人は老いた声でゆかり達に指示を出し、もう1人は一言も言葉を発しない。もしかすると祖母と孫娘なのかもしれない。

ゆかり達は1人ずつ台も上で横になって足を広げ、白装束の老女によって股間を広げられた。長い針金を何本も差し込まれる。針金をいれて子宮口を開くらしい。老女は文句をつぶやいた。
「固いね」
「まだ開かないよ」
そのたびに針金が差し込まれる。腹の奥で金属が擦れ合う音が聞こえる。痛みが走るたびに子宮口が開いて行くのだろう。



続いて芋の種が押し込まれた。種といっても、すでに発芽している。根の部分を子宮にいれ茎の部分は外に出す。「万石芋」という芋の一種なのらしい。芋の根はやがて子宮に根付き子宮の中で育つのだという。

ゆかりは信じられなかった。

むしろ、手術室とはとても呼べないような設備で、子宮をいじられることが怖かった。弥生の母親の話が思い浮かんだ。

植物を挿入されたあと、ゆかり達は控えの間に戻った。今日は責めは行なわないと伝えられて、ゆかり達は一日をのんびりと過ごした。

ゆかりは、弥生に母親のことを尋ねた。子宮を無くしたという弥生の母親のことが気になる。もっと詳しく知りたかった。しかし弥生は話すのを嫌がり、最後には何を聞いても首を振るだけになった。母親の話はしたくないのだという。

ゆかりは芳枝と小声で話し合った。芳枝は言った。
「もしかして子宮を切り出す手術をされるのかな」
「まさか」
ゆかりは想像外のことを聞いて驚いた。恐ろしい想像だった。
「ビデオに撮って売るんじゃない」
「やめてよ」
芳枝は自分にも関係しているずなのに平気な顔をして言う。ゆかりは芳枝と話したことを後悔した。

*

数日すると、ゆかりは下腹部に圧迫感を感じるようになった。手で触ると、腹が少し出ているようだ。弥生も芳枝も同じようなことを言う。

子宮の中で芋が育っているのだろうか。

「種付け」の翌日から責めは再開された。数時間に及ぶ責めを受けて、ゆかり達は毎日傷だらけだった。芳枝は夜によく泣いた。傷が痛んで眠れないのだ。ゆかりも泣きたい夜はあったが声を忍ばせた。目が覚めて暗い中でとりとめも無く考えてしまうことがある。考え始めると不安でたまらなくなる。そんなとき腹の中で動くのを感じることがあった。成長しているのだ。

腹の膨らみはしだいに目立ってきた。下腹部がぷっくりと膨れているのが見て取れる。
「本当に芋が育っているの」
「別のものを入れられたんじゃない」
芳枝がまた恐ろしいことを言った。急に、ゆかりは自分の腹の中でトカゲが成長している場面を想像して、気分が悪くなった。どうしてトカゲなのか理由はわからない。

腹のふくらみとともに、責めの苦痛は増した。

穴の底で角材を押し込められる責めは、子宮が膨らんだことで角材をすべて呑み込むのが難しくなった。気を失いそうになりながら呑み込む。

角材を抜くと、緑色の葉が何枚か底に散らばっているのが見えた。股間から落ちているのだった。子宮から伸びた芽がツルとなり股間から出ようとしている。ゆかりは、子宮の中で芋が育っていることをようやく信じた。

*

「植付け」の日から3週間後に、ゆかり達は同じ部屋に集められた。

腹の中にりんごが入っているくらいに膨らんでいる。股間から生えたツルは床につくほどに伸びて、歩くときにじゃまになるほどだった。ゆかり達はツルの先を持って歩いていた。

白い液体を飲むように言われた。「だたいやく」だという。聞いたことがない薬だった。



飲んでしばらくすると、腹が痛み出した。猛烈に痛い。ゆかりは腹を抱えて床に膝をついた。弥生もうなっていた。芳枝は床の上を転がっている。
「い、痛い」
白装束の老婆に向かってゆかりは助けを求めた。
「がまんおし、すぐに出てくるよ」
ゆかりは腹の中で筋肉が収縮するのを感じた。白い液体は子宮を縮めて、無理やり出産させる薬なのだ。「堕胎薬」だ。

まず弥生が台に乗せられた。老婆は弥生の股間から伸びているツルを掴んで引っ張りながら、弥生に言う。
「ほら、もっと力んで、もっともっと」
「息すって」
「あとちょっとだ、見えてきたよ」
ゆかりは腹の痛みにおかしくなりそうになりながら、時々意識を取り戻して弥生の「出産」を見つづけた。弥生が力むと、股間が大きく開いて何かが出て来そうになる。簡単には出てこない。すぐに引っ込んでしまう。弥生は泣きながら力んでいた。弥生が泣くのをゆかりは初めて見た。

何度も何度も力みを繰り返したあとで、ついに産まれた。股間から引きずり出されたのは、血まみれの大きな芋のかたまりだった。小さな芋が何十と取り巻いている。

老婆が振り向いた。
「次はあんただよ」
芳枝は向こうの壁の近くでうなっていた。転がる体力が無くなったのかもしれない。放心したように台でのびている芳枝の腿を、老婆は叩いた。
「あんたはどいた」
ゆかりは這って台に近づいた。

*
posted by AWAWA at 00:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 生贄の森
この記事へのコメント
順番!!
Posted by at 2006年04月10日 00:09
順番とは??
Posted by AWAWA at 2006年04月12日 07:55
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